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39 図書室のアイツ

Author: 栗栖蛍
last update Last Updated: 2025-06-20 08:02:02

 お泊り会から、あっという間に10日が過ぎた。特に進展もないまま、いつも通りの日々が続いている。

 あの日『好きという気持ち』について咲と話をした。自分なりに出した答えを胸に留めているのは、月末に控えた秋祭りに4人で行く約束をしたからだ。咲に言われた「急ぐ必要はない」という言葉に甘えて、その日までは今の関係を壊したくないと思う。

「咲ちゃんは、あれからお兄ちゃんと連絡とってるの?」

 お泊り会の帰りに咲が蓮に電話番号を渡していた。恋愛に発展するような出来事はなかった気がするが、実際の所はどうなのか気になってしまう。

 咲は「いやいや」と手をひらひらさせて、食べ終わった弁当の蓋を閉めた。

「連絡先交換しただけだよ。芙美にもし何かあった時の為だって言っただろ?」

 そのまま受け止めれば納得がいくし、幾多のナンパ男を蹴散らして来た咲が特定の男に興味があるとは思えない。

「だよね、しかもウチのお兄ちゃんなんてね」

 最後に取っておいたウインナーを食べて、芙美は「ごちそうさま」と手を合わせる。連絡先を交換したくらいで、考えすぎだ。

「ここの所お兄ちゃんバイト忙しいみたいで、毎晩くたくたになって帰って来るんだよ」

「あぁ、夜のコンビニって大変そうだよな」

「あれ? お兄ちゃんのバイトがコンビニだって咲ちゃんに話したっけ?」

「えっ」

 弁当箱をしまう咲の手が止まる。

「この間泊りに行った時、本人に聞いたんだよ。芙美、トイレにでも行ってたんじゃないか?」

「そっか」

 何故か咲が動揺している。

「それより芙美、図書室行くんじゃなかったっけ?」

「ああっ、忘れてた! 行ってくる」

 先日、宿題の資料のために借りた本の返却が今日までだった。朝までは覚えていたのにすっかり頭から飛んでいて、芙美は慌てて弁当箱をしまい教室を飛び出た。

   ☆

 高校の図書室が開いているのは、昼と放課後の二回だけだ。電車の時間を考えると、今のうちに返しておきたかった。

 生徒数の割に広い図書室には、生徒の姿は殆どない。「お願いします」とカウンターで読書中の図書委員に本を返却したところで、「荒助(すさの)さん」と窓際から突然名前を呼ばれた。クラスの盛り上げ役・鈴木だ。

「鈴木くん、読書中?」

「うん。昼はここにいるのが多いかな」

 午後の授業までまだ時間があることを確認して、芙美は彼に近付く。二人きりで話
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     不覚だ。 朝目が覚めた瞬間、咲は血の気が引く思いにぶっ倒れそうになった。昨夜はあれから暫く蓮の胸で泣いて、部屋に戻って眠りについたのだ。 その時までは後悔なんてしていなかったのに、朝になった途端正気に戻って、ジワジワと脳内再生される昨晩の記憶に叫びたくなる。「うわぁぁああん」 窓から差し込む朝日が、泣き疲れた目に染みた。「おはよう咲ちゃん。どうしたの急に。怖い夢でも見た?」 何も知らずに寝ていた芙美は、晴れた空を見上げて「良い天気だよ」と笑顔を広げる。「う、うん……」 ただ怖いだけの悪夢ならどれだけ救われただろう。時間を巻き戻す魔法があるなら、今すぐにでも絢の所へ飛んで行って土下座でも何でもするのに、そんなのはないと前々から何度も言われている。「顔洗ってくる」 とりあえず、この腫れぼったい目をどうにかしなければ、と咲は蓮の気配に警戒しつつ洗面台へ向かった。   ☆ 身支度を整えてリビングへ下りると、芙美が朝食の用意をしてくれていた。昨日残ったカレーの匂いが、階段の上にまで届いている。「おはよう、咲ちゃん」 背後から掛けられた声に、咲は慌てて肩をすくめた。蓮だ。 何事もなかったように妹の所へ行った彼に、「おはようございます」とぎこちなく返事する。「お兄ちゃん、これ運んで。咲ちゃんが作ってくれたカレーだよ」「やった。それは嬉しいね」 何気ない兄妹の会話の中で、咲は動揺を隠すのに必死だ。今日は何をしようかと芙美がさっき部屋で話をしていたが、本日の予定にはもれなく蓮がついてくる流れになっている気がする。 楽しそうな芙美には申し訳ないが、平常心を保てる気がしない――と不安を覚えたところで、咲のポケットでスマホが甲高い音を鳴らした。『咲ちゃん、おはよう(ハート)』 他愛のないメールの送り主は、姉の凜だ。それが咲には救いの女神に見えて、『おはよう』と返事する。 そして、二人に嘘をついた。「ごめん、芙美。アネキが用があるって言うからさ、朝ごはん食べたら帰るよ」「えっ、おうちで何かあったの?」 緊急性をアピールする咲に、芙美は本気で心配してくる。悪いなと思いながら、咲は嘘を貫いた。「そんな大したことはないと思うんだけど、来てほしいって言うからさ。れ、蓮さんもすみません。また今度……」「用事があるなら仕方ないよ。次、楽しみにしてる

  • いもおい~日本に異世界転生した最愛の妹を追い掛けて、お兄ちゃんは妹の親友(女)になる!?   36 姉の教え

     声を殺して泣きじゃくる。こんな泣き方をしたのは初めてかもしれない。 涙はこの身体のせいだと思っていたけれど、よくよく考えたらヒルスの頃から人前で泣くことは良くあった気がする。ただこうして誰かに受け止められたのは初めてだった。 抱きしめる蓮の感触にホッとしている自分が嫌だ。けれどそこから離れる事が出来ず、泣き場を求めて甘えてしまう。 不覚だ。 涙がようやく涸れてきたところで、蓮が咲の顔を覗き込んだ。「落ち着いた? ここじゃなんだし、俺の部屋にでも行く?」「何でそうなるんだ。行かないよ、襲われるから」 蓮が張り切って自分の部屋を掃除していたと、芙美が言っていた。申し訳ないが、絶対に足を踏み入れることはできない。「ハッキリ言うね」「うちのアネキに、一人で男の部屋に入るのは同意するのと同じだって教育されてるからな」「お姉さんか。まぁそういう男もいるんだろうけど、流石に何もしないから。とりあえずそっち行こうよ」 二人はリビングへ移動した。   ☆ 雨と涙で濡れた服から素早く着替えてきた蓮が、ソファに座る咲に麦茶を差し出して横に腰を下ろす。 少し距離が近い気がしたけれど、咲はそのまま「ありがとう」とグラスを受け取った。 一口飲んで、咲は宙に視線を漂わせたまま口を開く。「このこと、芙美には黙ってて欲しい」「俺とこうしてること?」「いや、僕が泣いたこと」 蓮が短く溜息をつく。「何で芙美に強がるんだよ。まぁ俺も昔の彼女に二股掛けられた時は、アイツが寝てから部屋で泣いてたけどさ。泣きたい時は泣けばいいと思うよ。俺で良かったら、肩でも胸でも貸すから」  涙の理由は大分違うが、彼なりのやさしさを感じて「分かった」と答える。「咲ちゃんは、芙美が好きなの? 男……として?」 蓮は首を捻る。確かに男だと言えば、そう捕らえられてしまっても仕方がない。 男として芙美を愛するか――けれどそんなあわよくば的な感情は、この世界に来ると決めた瞬間に捨ててきた。「違う。そういうのじゃないんだ。僕は……」 この人なら、本当のことを言って受け止めてくれるだろうか――ふとそんなことを思ってしまう。 蓮に会うためにここへ来たのは、芙美の兄がどんな奴か確かめたかったからだ。対抗意識を燃やして、変な奴だったら説教してやろうかくらいの勢いだったのに、ただ肩を借りて泣い

  • いもおい~日本に異世界転生した最愛の妹を追い掛けて、お兄ちゃんは妹の親友(女)になる!?   35 不覚だ。けれど……

     芙美の寝息が聞こえて、そっと手を解いたところで階下から物音がした。何だと思ったけれど、恐らくバイトから戻った兄の蓮だと気付いて咲は息を潜める。 このまま寝てしまおうと目を閉じるが、大きめの足音に芙美が「うん……」と覚醒しそうになって、慌てて部屋の外へ出た。階段の下を横切る彼に「静かに」と声を掛けると、蓮は足を止めて咲を振り返る。 何も知らない蓮は、咲を見て「可愛い」と能天気な笑顔を見せた。ただ静かにして欲しいだけの事をうまく伝えることができず、咲は足音を忍ばせて階段を駆け下りる。そういえば今日は姉の凜がチョイスしたピンクのヒラヒラしたパジャマだったが、気にしている暇はない。「ただいま」「お帰りなさい……じゃなくて。芙美寝てるんで、起こしたくないんです」「あぁそうか。雨大丈夫だった?」 「ごめん」と蓮が声を潜める。傘を持って出た彼だが、腕やカバンが少し濡れていた。「芙美、今日はそんなに怖がらなかったから」「なら良かった。咲ちゃんのお陰だね、ありがとう」「いえ。じゃあ、そういうことで……」「ちょっと待って」 心がまだ落ち着いていなかった。早く部屋へ戻ろうと踵を返した所で、蓮が咲を呼び止める。「泣いてた? 咲ちゃん」「泣いてません」 彼に背を向けたまま、咲は横に首を振った。「そんなに目赤くして? 咲ちゃんも雨が苦手? それとも芙美と何かあった?」「芙美とは何もないです。雨も、苦手じゃありません」 階段を駆け上がればここから逃げ出せるのに、足が竦んで動いてくれない。涙の痕を腕でゴシゴシと拭って、咲は「平気です」と強がった。「大丈夫……」 けれどその声が震えて、咲は左手で口を塞ぐ。 智の死への不安、芙美が望む未来を叶えてあげることができないだろう不安、それは蓮には全く関係のない事だ。なのに抑えていた感情が零れ落ちる。「平気じゃないだろ? 芙美起こそうか?」「駄目だ。私が泣いてるってアイツに知られたくない。それにまだ雨が降ってるから……」 感情的になって振り向くと、蓮は咲を見て困った顔をする。「だったら、咲ちゃんの不安はどうするんだよ」「私なんて、放っときゃ落ち着く」「何かあるなら聞くけど?」「…………」 言えるわけない。智のことも、芙美のことも。「じゃあどうして、咲ちゃんは俺に会いたいって言ってくれたの?」「それ

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